読書の旅

私にとって「読書」とは何かを考えます。

代表的日本人

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2018年の大河ドラマ堤真一さんが「西郷隆盛」を演じると聞き、ある本を思い出した。


内村鑑三著 鈴木範久訳『代表的日本人』

(元来語り出すと文章が長くなる性質なので、項目を立てて紹介していこう)


・【英文での出版】
内村は日本人であるのに、訳者がいることに首を傾げる方もいらっしゃるのではないだろうか。
実はこの本は、英文で原書が発刊された。
1894年に「Japan and the Japanese」が出版され、1908年に「Representative Men of Japan」で改版がなされる。


・【西郷隆盛と『代表的日本人』】
この本は内村鑑三が、代表的な日本人五人を本の中で描き出した。
その五人のうち最初に書かれているのが西郷隆盛である。
西郷以外に内村によって描かれたのは、上杉鷹山二宮尊徳中江藤樹日蓮上人だ。


・【100分de名著×若松英輔
『代表的日本人』は、NHKで放送中の100deで名著で1月に紹介された本でもある。
若松英輔氏のテキストを参照しながら、この本を紹介したい。
テキストを読むことで、こういった読み方ができるのか!と私のような想像力に乏しい人間には目から鱗であった。
ぜひ一緒に読むことをおすすめしたい。(※決して回し者ではない)


・【二つの戦争】
若松氏は、テキストのなかで、この本の発刊した時期に注目している。
日清戦争日露戦争。二つの戦争を経験しナショナリズムが高揚する中、英文で出版されたという背景を抜きにして、この本と向き合うことはできない。


・【鍵を握る言葉―天】
この本の文章の主格は、人間を超えた力の主体である天=hevenである。
西郷が主格でなく、あくまでも天が主格。
若松氏によれば、人間が何かをするのではなく、人間は無私になって天の道具になるのがもっとも美しいという内村の世界観が表れた構造なのだとか。


・【待つ】
この本の中で、私が最も印象に残った西郷に関する一文を紹介したい。
「西郷は人の平穏な暮らしを、決してかき乱そうとはしませんでした。ひとの家を訪問することはよくありましたが、中の方へ声をかけようとはせず、その入り口に立ったままで、だれが偶然出て来て、自分を見つけてくれるまで待っているのでした!」  (内村、39ページ)
内村はこの文に傍点を文末には感嘆符をつけることで、一文をことさら強調している。内村の描く西郷像の象徴ともいえる一文だ。
私にとっては、まったく新しい西郷像であった。
若松氏は、必ずしも内村のように西郷を読む必要はないとテキストで述べているように、これはあくまでも内村の考える西郷に過ぎないが、私には驚きであった。
この一文を読むと、スピードが求められる現代において、「待つ」ことの重要性を感じるとともに、
「待つ」ことは大変忍耐のいる行為であるが、「待つ」ことのできる人間になりたいと感じる。


・【良書と読者】
若松氏は、テキストの中でこんな素敵な言葉を述べておられる。
「良書は、読まれることによっていっそう豊かになっていきます。それは読者とともに育ち、読者によって完成されるものです。」
こうも述べている。
「五人すべてに感心持てなくてもよいのです。」
私自身、まだ西郷隆盛しか読んでいない。
いつか年を重ねて読みたくなったら、他の四人も読みたいと思っている。



はる

絵本

先日、書店の絵本コーナーに立ち寄ると、衝撃的なタイトルの絵本に出会った。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

『ママのスマホになりたい』

 

 

個人的にはキミスイこと『君の膵臓をたべたい』以来のインパクトのある題名だ。

 

スマホに夢中なママに振り向いてほしいぼく。

 

子ども向けというよりも、完全に世の中のママたちへ向けたメッセージである。

 

絵本は、子どもの読みものと思われがちだが、実は大人へ向けたメッセージが込められたものも多いと感じる。

 

大人でもちょっと答えに困ってしまうような真理を説く絵本もあれば、哲学的なテーマの絵本もある。

 

大人こそ絵本を読むべきではないかと思っている。

 

絵本は奥深い。

私の知りえない良質な絵本が世の中にはたくさんあるだろう。

一人の大人として、多くの絵本から学んでいきたいと思っている。

 

はる

(今日は常体で書いてみました~)

 

読書体験(幼少期)

今日は、少しばかり「読書体験」を振り返ってみたいと思います。

「読書」を考察するときに、やってみたかったことの一つに、「読書体験」の振り返りがあります。覚え書きのようなものですので、あしからず。

 

まずは、幼少期編。

 

子どもの読書興味の発達の段階において、4-6歳は昔話期なのだそうです。

 

自分はどうであったかというと・・・

この時期の記憶が、あまりありません(笑)

 

家族の話によれば、祖父の膝の上でよく昔話を読んでもらっていたそうです。

そういわれて、膝の上にいた記憶が少しばかり蘇ってきました。

 

幼稚園にあった絵本では「にじいろのさかな」や「ぐりとぐら」が好きだった気がします。

 

現在も手元にあり、記憶にも残っているのは進級記念と卒園記念にもらった本です。

一冊目が「もりのレストラン」、二冊目が「エルマーのだいぼうけん」でした。

 

ざっくりですが、以上、読書体験幼少期編でした。

読書体験シリーズは気まぐれで書きたいと思います。

 

はる

新刊本の情報を得る


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今日は、新刊本の情報を得ることについて書きます。

最も多いのは、書店で知るパターンです。
発売になってから店頭で知ることが多いですが、書店においてあるチラシやパンフレット(写真参照)からも情報を得ています。

専門書などは、店頭で宣伝されていることが少ないので出版社のホームページをチェックしたり、Twitterをフォローしたりしています。

あとは、新聞の書評欄や書評サイトをさーっと眺めます。←時間があればじっくり読みたいけれど…

また、友達や身近な方におすすめの本を紹介していただくことは、自分の人生にとって大切な本に出会える近道のように思っています。

はる

本を買う

今日は、私自身の「本を買う」ということを振り返ってみたいと思います。

もちろん図書館でも本を借りますが、今日は「本を買う」ことについて書きます。

 

一体、自分は年間どれだけ本に投資しているだろうか。単純に自分でも気になりました。基本的に本にいくら使うといったことは決めていません。

 

ざっと計算してみると、8万円/年。(2015年8月~2016年8月)

(あれ思ったより少ない)

月平均にしてみると6000円強でしょうか。

個人の感覚ですが、私の場合、月に1~2万円は本に投資してもいいという気がしています。

 

※本を買う=自分の教養を豊かにするという意味で、自己投資=「投資」という言葉を使いました。

 

では本題!

 

☆☆☆本の買い方☆☆☆

①書店に行く。

これが一番です。本を実際に手に取って選ぶことができます。

中身をみることができるのは、最大のメリットです。

 

書店も規模が様々です。

 

【弌:大規模(東京)】

私は、年に数回、東京の大きな書店に足を運ぶことにしています。

専門書の品ぞろえが豊富なこと、首都の書店ではどのような本を売り出しているのかのトレンドを知れることが魅力です。

階が分かれている書店の場合は、目的のフロアへまっしぐらということも多いです。

ワンフロアを占拠する書店の場合は、意識的に様々なジャンルの棚を回ります。

かごをもち、端から端までとにかく歩きます。歩いている途中で気になったものはかごへ入れます。かごのメリットは、自分が持てる重さまでしか本を入れられないこと!

池上彰さんはカートを買い物だそうですが、それはさすがに無理です(笑)

 

【弐:中規模(地方の県庁所在地)】

これは一番便利な大きさだと思っています。

専門書もほどよく手に入りますし、地域のコーナーもあります。

書店員さんのセンスが光るポップが充実していたり、売り出し方が面白い。

小説など趣味の読書の本は、中規模の書店で買うことが多いです。

 

【参:小規模(商店街の個人経営店)】

ほぼ貸し切りです。住んでいる地域の資料はここが一番。

本の在庫が少ない分、少数先鋭です。大きな書店では通り過ぎてしまうような本に出会える可能性あり。

 

 

Amazonで買う。

書店の次に多い方法です。

買う本が決まっている場合は、こちらのが書店で探す手間もはぶけるの速いです。

専門書などを安く買う場合、絶版の研究書を手に入れる場合など、非常に重宝しています。書店で在庫がない新書や、名作とよばれる絵本を買ったりもします。

 

 

本を買うときは、書店かAmazonです。

以上、今日は「本を買う」ことについて振り返りました。

 

台風情報が気になる、はるでした。

文章

朝から若松英輔さんのTwitterを拝読し、大変共感したので、blogに共有します。

@yomutokaku:

大切な人に何かを渡そうとする時、胸は高鳴り、うまく言葉がでなくなる。だが、そうやって手渡された事を受け取った側は決して忘れることはない。私達が書かなくてはならないのはこうした文章だ。文字が記された紙から湯気がでるような熱を帯びた言葉である。整った言葉は世にあふれているではないか。

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http://twitter.com/yomutokaku/status/768854626988797952


自分よりも文章が上手な人は世の中にたくさんいる。大切な相手と対峙するとき、心に残る、熱を帯びた言葉を紡げるそんな人間になりたい。