読書の旅

私にとって「読書」とは何かを考えます。

愛さなくてはいけないふたつのこと(松浦弥太郎)

二年前、仕事がうまくいかなくて悩んでいるとき、図書館で出会ったのが松浦弥太郎さんの本であった。「考え方のコツ」をはじめ、「今日もていねいに。」など松浦さんの著書は何冊か拝読している。

 

さて、今日ブログに書くのは「愛さなくてはいけないふたつのこと」である。正式にはあなたに贈る人生のくすり箱という言葉が、タイトルの前につく。

 

8月末、とある駅ビルの本屋さんで、ふと手にとったのが、今日の本だ。乗る電車の時刻を調整するために立ち寄った本屋で、別の本を探そうと端末を操作していたら、目にとまった。ぱらぱらめくると、これは読みたいと思い、即買い!かと思いきや、カバーが汚れていたため、その場は断念。結局帰宅後、Amazonでぽちっとな!した本である。

 

本との出会いを長く書いてしまったが、本は出会うべくタイミングで出会うべきうして出会うと思うので、きっと今の自分に必要な考え方を教えてくれる本なんだと思う。

 

帯には「不安」と「寂しさ」が小さくなる考え方の文字がおどる。

たぶん私は、「不安」と「寂しさ」でこの本を手に取った。漠然とした将来への(主に老後への)不安と、独身でいる寂しさ。

 

話のあう友達がいて、楽しめる趣味があって、一生続けたいと思える仕事に出会ってしあわせなのだけれど、やっぱり心の奥底にはこんな感情が存在している。

 

本の構成は以下の通り。

第一章「ふたつのこと」を見つめよう。

第二章「ふたつのこと」を受け入れよう。

第三章「ふたつのこと」をゆるそう。

第四章「ふたつのこと」を愛してあげよう。

 

 

仕事に関する言葉で心に残ったものをいくつか抜粋する。

 

①傍目には「運がいい、要領がいい」と映る人ほど、必死で頑張っていることをまわりに見せないもの。

 

②「私を認めてほしい」という主張は仕事の世界ではタブー。

 

③勤勉に、規則正しい生活をし、目の前にある自分の仕事を片付け、人間関係を育てていくことが「認められない不安と寂しさ」のいちばんのくすり。

 

④健康は直接、命につながっており、体を休める時間を潰して残業をする人は、自分の命を削っているのと同じことです。

 

⑤人生は、階段を一段一段のぼるようなもので、困難を一つ克服すれば、また別の困難がやってきます。永遠に消えることはないし、その繰り返しが成長しながら生きるということです。

 

⑥外見で唯一責任をとらなければならないのは、身だしなみ。清潔さと社会的マナーにそった服装は、大人のたしなみです。

 

仕事がうまくいかなったときの私は、とにかく「認めてほしい」という想いの塊だったなあと今になって、この本を読んで気づく。お客様のことよりも、自分が認められたい、という想いが強すぎて目的も何も見失っていたように思う。それでは本末転倒。自分が社会に対して貢献した対価がお給料だとすれば、もらう資格のない人間であったともいえる。

 

さらに、松浦さんは、お金は預かっているものという見方をし、どんなふうに使えば社会の役に立つのかと考え、大切に使うことを提案する。(たしかに、「預かっている」と考えれば、浪費は減るのかも。)

 

仕事のために休日はしっかり体を休めるけれど、仕事のために命を削らない。

これって大事なことだなあと思った。やりたいことよりも仕事のためにコンディションを整えることは優先する。休日も仕事を第一に考えるのだけれど、健康を害するほど、仕事はしない。

 

これを読んで仕事に向き合う姿勢、働き方を変えようと思った。平日の残業を減らすこと、休日はしっかり体を休める=無理をして出かけないことを実践したい。

 

 

はる