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読書の旅

私にとって「読書」とは何かを考えます。

ぼくの小鳥ちゃん(江國香織)

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冬の朝、ホットコーヒーを飲みながら窓辺で読みたい本。

主な登場人物は、ぼく、小鳥ちゃん、ぼくの彼女である。
ある雪の朝、ぼくの部屋に小鳥ちゃんがやってきた。
この小鳥ちゃん、ラム酒のかかったアイスクリームが好きだっていうから只者じゃない。
しかも、妙に色っぽい。
小鳥ちゃんは、彼女がぼくの部屋に来ると、決まって写真立てを倒す。
素直になれないところがいじらしい。
おいおい、ぼくよ、なぜそんなにもスムーズに小鳥ちゃんを招き入れてるのだ?と彼女だったら思ってしまいそう。
ぼくと彼女が手をつないでスケートをすれば、小鳥ちゃんは不機嫌になり、ぼくは小鳥用のスケート靴を作る。
なんだろう、この関係・・・恋ではないけど、ふしぎな感覚。
小鳥ちゃんが階上の家へママレードを煮た日に行っていることを知って、微妙にすねるぼく。
小鳥ちゃんはふしぎな魅力の持ち主だ。ぼくの所有物でもないし、彼女でもない。
でも、確実にぼくと通じ合っている。
ぼくと小鳥ちゃん。
この二人の関係を考えると、なんだか恋でも友情でもない何かを感じる。

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追記
江國香織さんの描く冬の景色が好きになった。
以前、江國さんが翻訳した外国の絵本で「おひさまパン」を読んだ。
今回の本でもその絵本でも、江國さんは冬の景色を「町が色をうしなう」と描写していた。
その感覚がすっと胸に落ちるようで、私は好きになった。



はる