読書の旅

私にとって「読書」とは何かを考えます。

恵文社一乗寺店へ行って来ました!

 ご無沙汰しております。先日、昨年12月に行きたいなあと記事に書いていた京都の本屋さん①恵文社一乗寺店に行ってきました。(リンクが当時の記事)

 

tsubame43.hatenablog.com

 

 

 恵文社一乗寺店は、「本にまつわるあれこれのセレクトショップ」ということで、ふつうの書店とは少々趣が異なっています。ゆえに、読書家さんたちが集うちょっとしたスポットになっているのかもしれません。

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 ふつうの書店と何が違うかといえば、ずばり!本の並べ方でしょうか。

 

 ふつうの書店では、文庫は文庫、新書は新書、それも出版社ごとに並んでいることが多いと思います。非常に機能的な並び方ともいえます。恵文社さんは、それとは対照的に、文庫も新書も単行本も一緒に並んでいます。

 

 例えば、「くらし」に関するカテゴリーの本は、本の大きさや出版社、新旧問わず同じ棚に並んでいます。よくよく考えてみればこちらの方が自然な並びといえるのかもしれません。

 

 こころの赴くままに本棚を眺めていると、次から次へと気になる本が現れて、気が付くと本棚の本を手にとっています。

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 私が吸い寄せられたのは、「くらし」や「食」のコーナーでした。「食」は、美食本が並ぶだけなく、そこには「食」をテーマにした小説や、「おいしい」の表現を文学から集めた辞典など、一つのテーマでも視点を変えて集めると、面白いなあと感じました。

 

 「くらし」の横には「子育て」などの本も並んでいます。「くらし」方の本といえば、松浦弥太郎さんが有名ですが、その本を手にとると、近くに大正時代の着物の本があったり、自然と児童作家の中川李枝子さんの本に手が伸びたりと、「読書の広がり」を体感することができます。


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  生活雑貨や読書ライフを快適にする雑貨も充実しています。

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  読書好きのみなさま、京都へお出かけの際に一度立ち寄ってみるのはいかがでしょうか。

 

 

はる

 

こうばしい日々(江國香織)

大人になってから出会ったけど、中学生の時に出会ってみたかった本。

 

舞台はアメリカ。江國さんご自身のアメリカ留学の経験が活かされているのかなあと感じた。アメリカのスクールドラマで見るようなの学園ライフのリアルな空気が作中に漂う。

 

アメリカ育ちのダイ、ガールフレンドのジル。姉、ウィル、島田さん・・・いろいろな魅力的な人物が登場するけれど、私が一番好きな登場人物は、パーネルさんだ。

 

ダイのパーネルさん像はこうだ。「ミネストローネのとき、パーネルさんは玉ねぎだけよけてよそってくれる。ほかの人だったら、好き嫌いはだめよ、とかなんとか言うんだろうけど、パーネルさんはそんなこと言わない。」(19ページ)

 

食堂でお世話になっているパーネルさんとダイが図書館での出会う場面が素敵。

僕は本を二冊抱えていたけれど、パーネルさんは小さなハンドバック一つだった。(47ページ)

ダイ「図書館に行っても本は借りないの?」

パーネルさん「ええ。図書館にすわっているのが好きなの。本の息づかいをきいているだけでいいのよ。わたしの趣味なの」

本好きなパーネルさんが好きなのかも(笑)

 

パーネルさんのおうちでチョコレートブラウニーを食べたダイ。

「チョコレートブラウニーは、ほんとうに特別においしかった。熱々で、甘ったるくなく、香ばしい。」(64ページ)

 

「こうばしい」というと、食べ物の焼けるいい香りを想像する。作中にカリカリに焼いたベーコンやトースト、紅茶にラスク、オムレツ、コーヒー・・・なども登場するけれど、一番はきっとこのチョコレートブラウニー。

 

タイトルをあえてひらがなの「こうばしい」にしたのは、香り+「心ひかれる」日々という意味も盛り込んだからかな?なんて思った。物語の季節は秋。食欲の秋で食べ物も香ばしいし、秋の空気を吸った時に胸に広がる香ばしさかもしれないし、ガールフレンド・ジルとのスクールライフ、それらも全部ひっくるめてその香ばしさに心ひかれるのではないかなあと。

 

 

もう一編。文庫に同時収録された『綿菓子』。

こちらのが私は読みやすかった。

見合いで島木さんと結婚したお姉ちゃんの元彼の次郎くん。次郎くんに恋心を抱いている私。甘く切ない物語。最後のシーンはきゅんとする。

 

一番すごいなと思った台詞は、「絹子さんのこと」のおばあちゃんからの衝撃的なカミングアウト。※若干のネタバレを含みます。

 

 

おばあちゃんの「おじいちゃんは絹子さんの家で死んだのよ」「絹子さんはおじいちゃんの恋人だったの」・・・私はすごく、ほんとにすごく、おどろいた。・・・「おんなじ人を愛したんだなあって思うとね、おたがいに何だかいとおしくなっちゃうのよ」(132ページ)

 

「人はね、誰かに愛されたら、その愛に報いるだけの生き方をしなくちゃいけないのよ。」

 

これをさらっと書ける江國さんがすごすぎて・・・!絹ごしのお豆腐がパックからお皿につるんって出るみたいに書いてあるから、読み手は江國作品の虜になるのかも。

 

 

はる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最強の読み方(池上彰×佐藤優)

1月下旬、丸の内の丸善で入口を入って最も目立つ場所に積まれていた本。

 

池上氏と佐藤氏のそれぞれの単著を読んだことがあった私は、二人のコラボ本を興奮気味に手にとった。ぱらぱらとめくるだけでいいかなどとと思ったのは間違いで、中身は想像以上に濃い。これは、家でじっくり読んで、一流の知識人の「本の読み方」のノウハウを知りたいと思い、迷わずレジへ。お持ち帰りした。

 

構成は以下の通りである。

序章 僕らが毎日やっている「読み方」

1章 僕らの新聞の読み方

2章 僕らの雑誌の読み方

3章 僕らのネットの使い方

4章 僕らの書籍の読み方

5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方

 

【新聞】

新聞は2紙以上読まないと危険という二人の共通見解。

これは、大学時代から私自身も感じていることではあるが、なかなか実践できていないことの一つである。毎日新聞と某地方紙はとっているが、目を通すのは毎日のみ。

図書館などで大手の朝日、読売、産経、日経などはおさえておきたいものだ。

池上氏が「新聞が世の中を知るための基本かつ最良のツール」、佐藤氏が「毎日5~6時間は新聞を読む時間にあてていた」というくらいなのだから重要なツールだ。

ちなみに池上氏は毎日11紙、佐藤氏は毎日10紙に目を通すとのこと。(一覧は49ページに掲載)

 

【雑誌】

佐藤氏が「雑誌の世界はいま、電子雑誌の定額読み放題サービスの登場によって、まさに過渡期を迎えようとしている」「大革命」と述べている。佐藤氏が契約しているのはdマガジン。月額400円+税で、180誌以上が読み放題。

私も2月に機種変更してから愛用しているサービスである。

dマガジンの何がすごいかと言えば、雑誌一冊の値段で180誌が読めること。

決して書店では手に取らないジャンルもぱらっと見てみようかなと触れることもできる。何より、雑誌を買うと処分が大変なので、その辺の手間がかからないのもいい。

バックナンバーも一定の期間は読めるし、スクリーンショットも可能だ(もちろん個人で楽しむ範囲に限られるが)。

 

【ネット】

佐藤氏が「ネットは上級者のメディア」というように、ネットの情報から「玉」だけを選ぶのはかなりの知識とスキルが必要とのこと。例えば、今私がこうしてブログで書いている内容は、この著作の二次情報であり私のバイアスがかかっている。そんなものがネットにはごろごろ転がっているわけだ。真の情報に触れたければ、やはり一次情報にあたるべきだろう。SNSは、インプットの時間を阻むとお二人がおっしゃっているが、私自身ツイッターを始めてからかなりの時間を浪費している。完全に依存している。まずは、一日一時間のネット断ち、挑戦してみようか・・・

 

【書籍】

池上氏は「世の中で起こっていることを知るには新聞がベース」になるが、「世の中で起こっていることを理解するのは書籍がベース」と述べている。リアル書店へ足を運んで、知りたい分野の本棚へ行くだけで本の帯からその学問のイメージを大まかにつかめるメリットも。お二人とも「いい本に出合うためには本をたくさん買うこと、迷ったら買うこと」を原則にしているとのこと。たしかに誰かが何年もお金も労力もかけて苦労した事柄をその一冊で手に入れられると考えたら安い!私自身、大学の恩師にも同じことを言われた。本は高いと思われがちだが、自分が一からその情報を手に入れようとするのに比べたらかなり安いのである。

 

【本の読み方】

佐藤氏は「熟読」「超速読」「普通の速読」の三つの読み方を駆使しているとのこと。(詳しくは本でご確認を)やはり、べたっと読むのはよろしくないのだなあ・・・。私は妙に完璧主義なところがあって、一言一句逃すまいと読書をしていたから、挫折することがしばしば・・・。自分自身が現時点で理解できるの本か否かを判断することも大切なのだと気付かされた。本の内容を100パーセント理解しようとする完璧主義は捨てよう。

 

【教科書・学習参考書】

基礎を学ぶうえで、小中学校の教科書あなどるなかれ!

 

 

時間のないビジネスパーソンが何か学びたい!効率よく学ばなければならない!と思った時に、学び方を学ぶ一冊だと思う。早速実践!

 

はる

 

 

 

 

 

図書館戦争(有川浩)

大学時代、「阪急電車」が面白かったと部活の先輩に話したら、有川浩作品ということで快く貸していただいたのが、図書館戦争だった。とても面白かったが、読むのが遅く、途中でお返しした記憶がある。

 

それから本には触れていないのだが、WOWOWで放送していた映画を観た。

 

映画は、岡田くん演じる堂上教官の台詞にときめく。栗山千明さんもかっこいい。実際の自衛隊のヘリや車輌も使い、圧巻の戦闘シーンだった。

 

何より泣けたのが今は亡き児玉清さんが(写真ではあるが)出演されていたことだろう。あの役は本を愛した児玉さんにしか出来ないと思った。

 

映画から、表現の自由を当たり前に思い、無関心になってはいけないのだなというメッセージを受け取った。表現の自由がおびやかされることはあってはならないが、それに甘んじて無関心でいてはいけないのだと。

 

それを守る使命が劇中では図書隊のメンバーだったけれど、あのメンバーのように一人ひとりが本をそして表現の自由を大切にしていかなければならないのだなあと感じた。

 

最後に、映画のなかで好きな台詞を。

「正論は正しい。だが、正論を武器にするのは正しくない。」

 

深い。たしかに正論は正しいんだけれど、正論ばかり言っている人は敬遠されがち。世の中、例外な事象が多いんだなあ、きっと。むしろほぼ例外ともいえる。正論は正しいという面では強いけれど、そこから外れた各々の事象に対しては滅法弱い気がする。正論を武器に相手を傷つけるのはよくないという意味で堂上は手塚に言ったのかと思われるが、生き方の参考になる台詞だった。

 

次は映画ラストミッションも見よう。

 

はる

読書体験(小学校中学年~)ハリー・ポッターシリーズ

更新していない間も訪問してくださりありがとうございます。

 

久々の更新は、止まっていた読書体験(小学校中学年~)。

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小学3年の頃、ハリー・ポッターがはやり始めた。翌年には、賢者の石の映画が公開され、日本中がハリポタブームとなった。

 

私も流行に乗って、ハリー・ポッターシリーズに夢中になった小学生の一人だった。人生で初めて、時間を忘れて「夢中になって読む」体験をしたのはこの本である。発売日にはごはんを急いで食べて、お風呂も急いで入って、寝る間も惜しんで一気に読破した。

 

こんなに楽しい世界があるとは!すっかりハリポタの世界にのめり込んでしまった。イギリスにはホグワーツ魔法学校が実在しているのではないかと思っていたし、夜になるとヴォルデモート卿のことを本当に恐れていた。いつか自分も、9と4分の3番線からホグワーツへ行けるのではないかというわくわく感を持っていたし、ちょっと怖いけれど、ホグワーツへ行ってみたくてたまらなかった。自分が何寮になるかも何度想像したことか。

 

最終巻は日本語訳が待てなくて、英語版を買って読もうとするくらい、続きが気になって仕方なかった。(※結局、英語版は挫折・・・( ;∀;))

 

登場人物、ストーリーなど物語の魅力は語りつくすことはできないが・・・

 

私にとってハリー・ポッターシリーズは、読書の楽しさを教えてくれた本であり、読書はいろいろな世界に自分を連れていってくれるものだと教えてくれた本でもある。

 

はる

京都で行ってみたい本屋さん

恵文社一乗寺店

雑貨やこだわりの本が並ぶ、本にまつわるあれこれのセレクトショップ

次に京都へ行ったら行ってみたいなあ!

http://www.keibunsha-store.com/

 

②これは本屋さんではないけれど・・・

今話題のBOOK AND BED TOKYO のKYOTO店

泊まれる本屋さん。でも本は販売していません。

①の恵文社さんが選んだ本が3200冊読み放題。

大好きな本を読みながら寝落ちるしあわせな感覚を味わうというのがコンセプトみたい。

カードのみの決済だそうです。

宿泊は大人気だそうなので、デイタイムで利用してみたいなあ!

bookandbedtokyo.com

ロンドンブックスさん

京都嵐山にあるロンドンブックスさん。

昨日紹介した、『錦繡』を買ったお店です。

時雨殿から、JR嵯峨嵐山駅へ戻る途中に寄りました。

とってもおしゃれな店内で、美術書や人文書も充実していました。観光地ならではの京都本コーナーも。また、嵐山へ行く機会があったら足を運びたいお店です。

 

http://londonbooks.jp/about.html

 

はる